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vol.3 氾濫する記号的ロジスティクス

鈴木創大, 花岡美優

Curated by Ryusei Ichinose​

 

2023.9.9(Sat) - 10.8(Sun)

13:00 - 19:00

​協力:東京藝術大学大学院映像研究科

Statement

スーパーへ行き、食材をながめると、色とりどりの野菜や肉、魚とともに、さまざまな国の名前を目にすることになる。そしてそれらがチリやメキシコアルゼンチンから運ばれてきたことを知る。この認識によって、私たちは日々の生活が「グローバル」へ驚くほど容易に接続されていることを実感する。
このような生活を支えているのは効率化された「ロジスティクス」である。食品輸送に関わるロジスティクスは極めて重要なライフラインとも言えるシステムだが、現代においては食品だけではなく、医療や精密機器などさまざまな分野についても同じことが言える。特に医療については、パンデミックの中でワクチンの供給路が政治的闘争の場へと発展したことも記憶に新しい。
国家が意のままにオペレーションができない、つまり介入が困難なロジスティクスがつくり出す空間には、今や国家と比肩するほどの政治的磁場が伏在している。
しかし、この空間の力は記号的に整地されることによって無化されてしまう可能性もある。つまり、目的地である「ここ」と出発地である「そこ」の関係性が記号的交換のみのものへと転換し、その場所同士が互いに持ちうる実存性が消えていくのだ。
今日における「ここ」と「そこ」の関係性。そしてそれを包むロジスティクス空間。これらに対して私たちは何を想像できるだろうか。

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Exhibition View

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