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vol.2 反転的フェティシズムの契機

斉藤P, 汪 駸 (Wang Tsin)

Curated by Ryusei Ichinose

 

2023.5.27(Sat) - 6.25(Sun)

13:00 - 19:00

Statement

あらゆるものが神となりうるこの時代に私たちは様々な形で信仰あるいは拒絶を行っている。汎神論的に生起する神々と驚くべき速さで行われていく偶像破壊。この再構成に満ちた加速的な社会を私たちは自らの生を同じ速さで駆けている。

しかし、こうした疾走や飽和した社会の熱狂とは裏腹に、駆動するこの精神は無目的的(aimless)である。

このような状況において参加作家の一人、汪駸は、シュルレアルな「肉」を私たちに提示する。その「肉」にある動感とテクスチャは、反射的な嫌悪を呼び起こすが、一方でそれは私たちの一部である/あったものとしての反転した倒錯性と身体に備わる反応性を明らかにする。一方で、もう1人の参加作家、斉藤Pはぬいぐるみというモチーフを、さまざまな状況へと布置し画面を構成する。断片的である種劇的な画面構成と日常に飽和しているようなモチーフの組み合わせは、私たちの生との重なりとその物神性について語る。

ド・ブロスから始まるフェティシズムの系譜は宗教的視座からさまざまに漂流し、現在は人とモノとのネットワークというより包括的な概念へと適用されつつある。

あらゆるものが飽和し、神へとなりうる時代に、私たちはこの反転性をいかにして理解できるだろうか。

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